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幸福実現党政務調査会ニューズレター No.21
2019.9.5
自国民保護の目的で自衛隊を派遣するには
こうした状況の中で、仕事や学業などで香港に滞在する約2万5千人の日本人を守るため、自衛隊を派遣することはできるのでしょうか。
国際法上、自国民を保護することは「自衛権」の行使
自国民を保護することは国家の責務です。他国で危険にさらされている自国民を守るために軍隊を送ることは、自衛権の行使といえます。国連憲章などの国際法上も認められるといえます。
ただし、相手国の同意を得ないまま、「自国民保護」の名目で他国に軍隊を送ることは、「侵略」とみなされる可能性もあります。アメリカをはじめとする他国は、自衛権や国際法を根拠に、同意を得ない状態で軍隊を派遣したこともありますが、国際世論の後押しがあれば、軍隊派遣はよりスムーズになります。
日本の現行法上は、自国民保護の目的でも制約がある
現在の日本の法律では、仕事や旅行等で外国にいる日本人を救出することは困難が大きいといえます。
「自衛隊法」84条の3では、外国で起きた緊急事態によって生命や身体に危険が及ぶ日本人を守る目的で自衛隊を派遣する場合、以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 保護措置を行う場所において、当該外国の権限ある当局が現に公共の安全と秩序の維持に当たっており、かつ、戦闘行為が行われることがないと認められること。
- 自衛隊が当該保護措置を行うことについて、当該外国等の同意があること。
- 予想される危険に対応して当該保護措置をできる限り円滑かつ安全に行うための部隊等と当該外国の権限ある当局との間の連携及び協力が確保されると見込まれること。
もう少しシンプルに言えば、①相手国と戦闘状態にならないこと、②日本人保護を行うために自衛隊を派遣することについて相手国が認めていること、③安全に保護活動ができるよう相手国との連携や協力が見込まれること、ということになります。
香港への自衛隊派遣について中国が同意することはあり得ません。すなわち、諸外国と同じレベルで自衛隊を派遣するためには、「自衛隊法」の改正が必要です。
現行法下でも香港沖まで派遣することは可能
10月1日は中国建国70周年にあたります。中国としては、それまでにデモを収束させたいとみられます。法改正して自衛隊を派遣していては間に合わないでしょう。現行法下で出来ることはないのでしょうか。
まずは政府として自国民保護の意志を明確に示すことです。これによって外交上の抑止力が働きます。
続いて、多数の香港駐在員がいるアメリカ、イギリスと共に、自国民救出の有志連合を組みます。特にイギリスは香港の旧宗主国の立場から、「返還後、50年間は一国二制度を保障する」という約束を反故にされたことを非難すべきといえます。
現行法では、中国の領土や領海に自衛隊が入ることは難しい状況です。そこで、アメリカとイギリスに対し、日本人も含めた保護活動を進めてもらい、日本は香港沖の公海上に自衛隊の大型艦艇を派遣し、後方支援や邦人輸送に備えます。
現行憲法でも「自衛権」の行使は認められています。香港沖への自衛隊派遣は、自国民を守る意味もありますが、中国の人権抑圧行為がエスカレートするのを抑止する効果もあります。
最終的には自衛隊法や憲法の改正を
とはいえ本来は、日本や日本人を救い出すのは日本であるべきです。さらに、人道的な観点から、丸腰の香港市民を救う必要があるといえます。
外務省はHP上で、「日本の基本的立場」として、人権外交を掲げています。そこには、「人権及び基本的自由は普遍的価値であること。また、各国の人権状況は国際社会の正当な関心事項であって、かかる関心は内政干渉と捉えるべきではないこと」とあります。
さらに、日本国憲法前文には「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」とあります。この精神に照らすなら、自国民や圧政に苦しむ他国の人々を救うために、自衛隊の派遣を躊躇するべきではないでしょう。
そのためにも日本は、自衛隊法の改正はもちろん、憲法9条の改正にも踏み込み、「自由、民主、信仰」を守るアジアの盟主としての使命を果たすべきです。
以上









