「ザ・リバティ」WEBサイトに、連載記事【釈量子の志士奮迅】が掲載されましたので、その一部を転載いたします。
米朝会談が分かれ道
北が消えるか韓国が消えるか
「分断の終わり、統一の始まり」
先日、韓国視察へ行った際、北朝鮮との間にある非武装地帯(DMZ)の見学ツアーに参加しました。冒頭の言葉は、北朝鮮を一望できる都羅展望台に、掲げられていたスローガン。韓国の人々が、「統一」という言葉にどれだけ熱い想いを持っているのかが、改めて分かります。
しかし問題は、その統一が「自由主義」と「共産主義」の、どちらの下で行われるか。その「決断」へのカウントダウンは、すでに始まっています。
北崩壊も見据えるアメリカ
大きな佳境の一つが、6月12日に予定されている米朝首脳会談です。本コラム執筆時点で、トランプ政権はその本心として、北朝鮮の「体制崩壊」も視野に入れているように見えます。
ボルトン大統領補佐官は、米ABCテレビで、「全ての核兵器を解体して、テネシー州のオークリッジに持って行く」、さらには、「弾道ミサイルや、生物・化学兵器の撤去についても議題に載せる」考えを述べました。「非核化」を大前提として、完全な武装解除を迫るということです。
ボルトン氏は、拉致問題についても確実に取り上げる意思を示しています。
またポンペオ米国務長官は米FOXニュースで、北朝鮮が非核化すれば、アメリカの民間企業が北朝鮮の電力インフラや、農業技術などに投資できるようにすると語りました。しかし、民間企業が入るということは、自由主義世界の情報が内部に流れ込み、過酷な人権弾圧の内情も世界に筒抜けになるということ。独裁政権の存続が、自ずと難しくなりかねない内容です。
さらに「体制保証」に言及したと報じられているトランプ米大統領も、メディアで「完全な破壊」といった言葉で脅す姿勢を崩していません。米朝会談前後の動きいかんでは、朝鮮半島が自由主義下での統一への道を辿ることになります。