【政務調査会】環境大臣宛てに「我が国のエネルギー安全保障のため「地球温暖化対策」の抜本的見直しを求める要望書」を送付
5月1日、幸福実現党政務調査会エネルギー部会(壹岐愛子部会長)は、環境大臣宛てに「我が国のエネルギー安全保障のため『地球温暖化対策』の抜本見直しを求める要望書」を送付致しました。
政府は、中国発・新型コロナウィルス感染症対策及びその影響に対する緊急経済対策に追われていますが、近い将来に発生しうる事象として、我が国におけるエネルギーの安定供給の危機を想定する必要があります。
しかし、このような状況下において、環境省はエネルギー安全保障と経済性を軽視し、地球温暖化対策に偏重した政策実施を進めようとしています。我が党として、こうした観点から「地球温暖化対策」の抜本的見直し等を求めるものです。
令和2年5月1日
環境大臣
小泉進次郎 殿
幸福実現党党首
政務調査会エネルギー部会
我が国のエネルギー安全保障のため「地球温暖化対策」の抜本的見直しを求める要望書
政府は、中国発・新型コロナウイルス感染症対策及びその影響に対する緊急経済対策に追われていますが、近い将来に発生しうる事象として、我が国におけるエネルギーの安定供給の危機を想定する必要があります。
コロナ・パンデミックを引き起こした中国共産党政府は、その責任を米国に転嫁するばかりか、各国が混乱する隙を突いて軍事挑発を行い、南シナ海に新行政区を設定するなど、コロナ禍に乗じて覇権拡大を着々と進めています。今後、台湾近海や南シナ海で軍事衝突が起こる可能性は十分にあり、加えて中東でも紛争のリスクが高まっていることから、我が国に石油や液化天然ガス(LNG)を輸送する海上交通路(シーレーン)は大きな危機に直面しています。
したがって、我が国はこれまで以上にエネルギー資源の多様化を進める必要があり、原子力や再生可能エネルギーの利用推進はもちろんのこと、シーレーンを経由する石油やLNGへの依存を減らし、価格が安く世界各地に豊富に賦存する石炭の利用を堅持しなければなりません。
しかしながら、このような厳しい国際情勢にもかかわらず、環境省はエネルギー安全保障と経済性を軽視し、地球温暖化対策に偏重した石炭火力発電所の規制を進めようとしています。特に、昨年9月に貴職が環境大臣に就任して以来、環境省は石炭火力発電への圧力を強めており、貴職の個人的な政治パフォーマンスも相まって、我が国の国益を侵害していると言わざるを得ません。
コロナ・パンデミックの影響により世界経済は大幅に後退すると見込まれており、今後の国際政治の状況は、地球温暖化対策の国際枠組みである「パリ協定」を合意した2015年とは大きく変化する可能性があります。各国とも安全保障や経済を犠牲にして地球温暖化対策を進めることはあり得ず、より「自国優先」の政策が実行されると考えられます。
このような中で、目下、環境省は「パリ協定」における我が国の現行の削減目標(2030年度に2013年度比で26%削減)をさらに強化することを目指し、炭素税の導入や石炭火力発電の大幅な規制強化、我が国の高効率石炭火力発電プラントの途上国への輸出規制を検討しています。しかし、これらは我が国の「自殺行為」であり、エネルギー資源に乏しい我が国のエネルギー安全保障の観点から、断じて行うべきではありません。
我が党は、エネルギー安全保障の観点から「地球温暖化対策」の抜本的見直しを求めるものであり、貴職に対し、他の関係省庁と調整のうえ、当面、以下の項目に係る政策を実施することを要望いたします。
一、「パリ協定」における現行の削減目標(2030年度に2013年度比で26%削減)を強化せず、我が国の経済状況によってはむしろ緩和すること。
一、本年11月に行われる米国大統領選挙の状況を見つつ、今後もトランプ共和党政権が継続する場合には、我が国も「パリ協定」から離脱し、米国と歩調を合わせること。
一、我が国の経済的なベースロード電源である石炭火力発電を堅持するため、不合理な二酸化炭素排出規制を撤廃すること。また、在来型の石炭火力発電であっても、急速なフェードアウト(段階的廃止)を強制しないこと。
一、石炭火力発電所の新設及びリプレース(建て替え)を規制しないこと。二酸化炭素の回収・貯蔵(CCS)を強要しないこと。
一、炭素税及びその他一切のカーボンプライシング(炭素の価格付け)政策を導入しないこと。石油石炭税に税率を上乗せして導入した、いわゆる「地球温暖化対策のための税」を廃止すること。
一、我が国の金融機関に対して、投融資において石炭火力発電プロジェクトを差別的に取り扱うことを禁止すること。
一、地方公共団体における、「地球温暖化対策」に係る独自の規制を禁止すること。
以上