本日12日、北朝鮮が、我が国衆院総選挙や韓国大統領選の最中という政治的空白を突くかのように、「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルの発射を行った。失敗に終わった今年4月の弾道ミサイルの発射に続く暴挙であり、我が国及び北東アジアの安全を脅かすものとして断じて容認できない。日米韓はじめ関係各国で連携し、実効ある制裁措置で臨むべきだ。
金正恩体制は軍事優先の先軍政治を推し進めているが、国際社会の平和、安全を大きく揺るがすものとして、早期にその野心を挫くことが肝要である。とくに北朝鮮は核弾頭の小型化を進めているとみられるが、これに成功すれば、我が国にとっての安全保障上のリスクは飛躍的に高まることになる。
日本の防衛政策の基本は、これまでは憲法の下での「専守防衛」であり、報復能力や核抑止力は米軍に依存してきた。しかしながら、在日米軍が軍事費削減のため徐々に撤退する事態も想定されるだけに、自分の国は自分で守るための国防強化には、もはや一刻の猶予も許されない。
ましてや、我が国の安全を揺るがすのは、北朝鮮のみに限られない。中華帝国主義を加速させる核大国・中国は、我が国最大の脅威となりつつある。こうした近隣諸国の軍事的脅威と対峙し、国民の生命・安全・財産を守り抜くために、我が党がかねて提言しているのが、抑止力の強化に向けた核保有である。
そもそも日本の国是となっている非核三原則は、国会答弁に基づく政策方針にほかならない。純法理的には、現行憲法上認められる「自衛のための必要最小限度を超えない実力」には、自衛のための核保有も含まれる。核武装の議論を忌避する風潮はいまだ根強いが、政治家は現実を見据えた国防論議から逃げてはなるまい。
また、潜在的な核抑止力を確保する点からも、原発が重要であることを併せて指摘しておきたい。原発は国民の生活や産業、雇用を守るだけでなく、国防上も必要なのであり、「脱原発」あるいは「卒原発」などといった無責任な動きに与するわけにはいかない。
もちろん抜本的な国防の強化には、憲法9条の改正が必要だ。しかし、危機に即応するには、我が党がかねがね主張するように、「平和を愛する諸国民」(憲法前文)とは決していえない中国や北朝鮮の存在を踏まえ、憲法解釈の変更により、相手国を直接攻撃できる報復能力を整備することも有効である。国家の役割は、国民の生命・安全を守ることにある。我が党は北朝鮮や中国の動向を踏まえ、実効性ある国防政策を掲げて、今後とも活動を続けていく決意である。
幸福実現党 党首 ついき秀学