平成28年9月9日
幸福実現党
本日、北朝鮮が5度目の核実験を強行しました。北朝鮮の暴挙に対し、政府には、抗議ではなく、圧力を強め、実効性ある制裁措置で臨むとともに、抑止力の強化を急ぐよう求めるものです。過去最大規模とみられる今回の核実験はもとより、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)をはじめとする相次ぐ弾道ミサイルの発射など、北朝鮮が軍事技術を向上させているのは明らかです。弾道ミサイルに核弾頭が搭載可能となれば、わが国の置かれた状況は飛躍的に深刻さを増すだけに、不測の事態に備え、対応に万全を期さねばなりません。
わが国の安全を大きく脅かすのは北朝鮮に限りません。強引な海洋進出を図る中国は、地域の安全保障上、最大の不安定要因となっています。中朝の脅威が増大するなか、抑止力の強化なくして、国家存立は図れません。日米の紐帯を強固なものとしつつ、ポスト・オバマ政権の対日政策の帰趨も見据え、憲法9条の改正をはじめ、自主防衛体制の構築を急ぐべきです。防衛費倍増による防衛装備の充実強化はもちろん、日本への核攻撃も現実化しかねないことを踏まえ、自衛のための核装備も排除すべきではないと考えます。そもそも非核三原則は政策判断にほかならず、現行憲法も自衛のための核保有・使用を禁ずるものではありません。唯一の被爆国として、核保有の議論を忌避する風潮は根強くありますが、核保有国に囲まれるなか、広島と長崎の悲劇が繰り返されることのないよう、国家防衛の意思をしっかりと示し、国民の生命・安全を守るための手立てを講じるべきです。
オバマ米大統領が掲げる「核なき世界」の理想に異を唱えるものではありませんが、その理想実現の前に、まずは独裁国家に「核を使わせない世界」をこそ目指すべきというのが、わが党の考えです。この観点からは、米国の「核の先制不使用」構想は、抑止力の低下により北朝鮮や中国の増長を招きかねないことを危惧するものです。
国防強化が待ったなしであるにもかかわらず、安倍政権が改憲論議で9条改正を避けるなど、争点隠しや政権運営での安全運転に徹するならば、わが国の未来は危うくなるばかりです。国家国民を守り抜くため、わが党は抜本的な国防強化の必要性を引き続き訴えてまいる所存です。