「二宮尊徳精神が日本を変える」

~日本政策学校理事長・上田博和×釈量子(未来対談vol.2)

「二宮尊徳精神が日本を変える」~日本政策学校理事長・上田博和×釈量子(未来対談vol.2)

 

【釈量子の未来対談】第2回 二宮尊徳精神が日本を変える

11月27日、日本政策学校理事長である上田博和さんをお呼びして「二宮尊徳精神が日本を変える」と題して対談をいたしました。
今回はそのインタビュー全文を掲載します。

 

出演

釈 量子
幸福実現党 党首
上田博和氏
元公益社団法人日本青年会議所専務理事。二宮尊徳の生地である小田原出身。23歳で清掃会社を起業。阪神大震災の瓦礫処理・清掃に携わった縁でJCに加入。43歳で夕張に移住し、夕張JCを拠点に夕張市の再建に尽力。

 

「二宮尊徳精神が日本を変える」

 
 本日は、日本政策学校理事長で、元日本青年会議所の専務理事でいらっしゃった上田博和さんにお越しいただいております。今日はよろしくお願いいたします。

 

「二宮尊徳精神が日本を変える」

 
上田 お願いします。

 上田さんは、とにかく若い人に火を付けるお仕事をされていらっしゃったという、情熱の方ですね。

 

「二宮尊徳精神が日本を変える」

 
上田 私は青年会議所(JC)という組織で、20歳から40歳までの、だいたい二代目や三代目の方が非常に多い団体にいました。そこで私は珍しく、起業して青年会議所に入った関係もあって。

 

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 では一代目というか。

上田 そうなんです。高校を卒業してすぐに清掃会社に就職して、3年目にそこをクビになりました。それから自分で起業しようということで。

 

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 会社をクビになったんですね。

上田 当時の上司に「お前、悔しかったら恩返しして、この会社を超えるような会社をお前、自分でつくってみろ」と言われまして。それで自分で起業して青年会議所に入ったんですね。私は神奈川県の小田原出身なので、そこの青年会議所にお世話になって、それからいろいろな人と出会うようになりました。

 実はこちら、『行動力 俺が日本を変えてやる』という上田さんのご著書ですが、こちらに起業の経緯がもう少し詳しく書かれていて。私、ちょっと泣けちゃったんですよね。

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「行動力 俺が日本を変えてやる」2016/6/5発刊
上田博和、田村重信、加藤和磨(著)

上田 起業したあとに、その社長とは十数年お会いすることもなくて。「恩返ししろ」と言われたので、逆にそのお世話になった会社の仕事をバカバカ取りにいってしまったんですね。

 前の会社のお客さんを。

上田 はい。そうしたらちょうど東名高速道路のサービスエリアで、十数年ぶりにその社長とばったりお会いして。私は会いたくないじゃないですか。やっぱり仕事も取っていますし、挨拶にも行っていないですし。そうしたらその社長から「ちょっとコーヒーでも飲もう」と言われて。

 東名高速のサービスエリアで。

上田 「きっと叱られるな」という気持ちで行ったら「いや、お前、たいしたもんだ」って実は褒めてくれて。「お前がこんなになるなんて、思いもしなかった。たいしたもんだ」と、そう言っていただいて。そうしたら、実はその数日後にその社長が、脳梗塞で亡くなってしまったんです。

 

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上田 それまでの私というのは「お金が大事」というか、本当にお金を持ってなかったので、お金お金といって、変な話、人のものでも取ってしまう、知り合いの会社の仕事も取ってしまうような自分があったんですが、実はその社長の死から、これは何か違うんじゃないか。本当に大切なことは何なのか。自分さえよければいいというのは、違うよなと、そういうことを思うようになり、それから、まだまだ「利他」という言葉には足りませんけど、そんなところから自分を見つめ直すきっかけになったんですね。

 

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上田 私は清掃会社をやっているんですが、当時は従業員としてアルバイトの男の子を3人ぐらい使っていて、いつもその若い連中と屋上でお昼を食べていたんです。当時の東京って、いろいろな現場のどこから見ても、サンシャイン60と東京タワーと、東京都庁が見えたんです。その若い従業員にお昼を食べながら「俺はあの都庁の掃除をできるような会社の社長になってやるから、待ってろよ」と言ったら、いつもみんな、腹をかかえて笑っていました。ただ、35歳ぐらいの時、東京に行った時は、必ず東京都庁に名刺を入れに行っていたんです。昔、電子入札じゃない時は、結構名刺を入れると入札に呼んでくれたりして、35歳の時に都庁の清掃の入札に呼ばれたんです。もちろん、本社は神奈川県で東京に支店なんかないのに、毎回名刺を入れるものだから、向こうも「しょうがないな」と思って呼んでくれたみたいで、それで都庁の清掃を落札させてもらいました。

上田 2~3人で始めた会社ですが、ちょうど青年会議所を卒業する頃には、従業員は千人を超えていましたね。もちろんパートさんが多いですけれど。

 3人の会社から千人に。職人さんが腹をかかえて「できっこない」と言っていた都庁の清掃も受注したんですね。

 

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上田 私は神奈川県の小田原出身ですが、実家のすぐ近くに二宮金次郎の生家があり、いつもそこで遊んでいました。小さい頃から、近所の人や親から「二宮金次郎のようになれ」と言われていました。二宮金次郎というのは、600もの町を再建したと言われていて、今でいう大臣ぐらいの人になってもおかしくなかったのですが、亡くなった時には一円もお金を持っていなかったと。みんなお金を行く町、行く町で渡してきたそうです。そういう人間が、本当に大切にされる人間だと、小さいころからずっと教わってきました。これは、結構うちの近所の子たちも、ずっとそういう感覚だったんですね。それが今でも多少なりとも、そういう事を思う自分がありますね。

 

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 今やっていらっしゃるお仕事は、まさに二宮金次郎先生がいらっしゃったら、かくあるような感じのお仕事をされていらっしゃいます。上田さんが今取り組んでおられるお仕事として、夕張の町の再生がありますね。

上田 実は夕張では仕事ではなくて、100%ボランティアなんです。私は青年会議所に入って、会員を増やすことに関してはものすごく長けていて。

 会員拡大のお仕事をされていたんですね。

上田 はい。ちょうど2011年の3月11日、東日本大震災があって、そのあと私はずっと被災地に入っていました。11月ぐらいに、北海道のJCの会長さんから電話があって、「夕張にはJCの会員が2人しかいない。これを助けてほしい」と頼まれたんです。

上田 「夕張には12万の人口がいたんだ。今は破綻して9,000人になっている。10校あった小学校は1校になり、5校あった中学校も1校になってしまった。隣の町の水道基本料金は1,800円、うちの町は7,000円以上するんだ。この町に若い夫婦なんかいない。みんな子供を連れて出ていってしまった。JCなんて、入るやつはいるわけないだろう。お前、この町に来て会員を増やしてみろ」と言われたんです。「お前、そんな偉そうなこと言うならやってみろ」と言われて、雪の中、一軒ずつチラシを持って回りました。

上田 そんなことをやっているうちに、1年間で14名の会員が入りました。JCの目的というのはやはり「まちづくり」ですから、やめていたいろいろなお祭りも、全部JCで再興しました。

 

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上田 夕張国際ファンタスティック映画祭も一気に破綻しそうになって、やる方がいなかった。インフラは役所がやればいいと思うんです。ただ、心ですとか、モチベーションとかやる気とかは、そうではないと思います。若い子とみんなでいろいろなお祭りを立ち上げ直したり、事業を展開していきました。私は「中途半端はいけないな」と思い、住所を向こうに移そうと思いました。

 

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上田 今、日本の政治もそうなのかもしれませんが、一番大事なのは、若い子たちに夢を持たせられないというか、夢を語れない方が多くて。いつも私は若い子たちを集めて、その子たちはもしかしすると、大きくなって札幌や東京に行って就職してしまうかもしれませんが、何しろこの夕張でこんな可能性がある、こんなことをやりたいと思っているとか、じゃあ皆の気持ちも聞かせてくれとか、そういう夢を一緒に語りながら、いつもいろいろなことを一緒に、じゃあお祭りの手伝いやるか、じゃあ映画祭やるか、みんなで雪かきやるかとか、そういうふうにやってきました。

 ポリシーとして、「101回目のプロポーズ」というのがありますね。

上田 ポリシーではないんです。青年会議所で会員を増やす責任者になった時に、何度声をかけても落ちない人がいたんです。その時に、私のことをとてもかわいがってくれた先輩から「『101回目のプロポーズ』というドラマを観たことあるか」と言われて。 「仕事だろうが、青年会議所だろうが、何だって一緒なんだ。100回行けば、SONYだってトヨタだって必ず落ちる」と言ったんです。100回トヨタに行って清掃、草むしりやらせてくれって、100回言ってみろ。必ず仕事をくれる。世の中はそういうものだ。そのかわり、100回行けるやつは100人に1人だ。お前、それになれるか」と言われたんです。「上田君、やり方より、あり方なんだ。心の問題なんだ」と、こう教わったんですよ。

 

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 この貴重な人生を、どう完全燃焼させるのか。ここが上田さんの生き様の中の、ある意味、もうたまらない魅力だと思います。

上田 いえいえ。みんな、「対岸の火事」なんですよ。だってみんな、自分には関係ないんです。関係ないものは、どうでもいいんですよ

 では、なぜ上田さんは、その「対岸の火事」を自分の問題にできたんですか?

上田 私は、やはりその青年会議所というところで1年間関わらせていただいたんですけれど――、誰もやらないからです。本当にそれだけです。

 同じ北海道の浜中町の農協に、先日行きました。酪農で1軒あたりの所得が2000万円ぐらいあるそうです。それまでの勘と経験に頼った酪農を、品質をチェックするセンターを造って、ものすごく高品質のミルクを作り続けていました。やはり背中に哲学があるんですよね。

 

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「二宮尊徳精神が日本を変える」

 
 そのほかにも、北海道の猿払村はホタテの生産でよく知られていますが、全国市区町村の所得ランキングでいつも上位になっています。こちらも訪問してみて、やはり自然と共生しながら次の代に豊かな暮らしを守っていこうという、哲学がありました。 そんな中、二宮尊徳は私も大好きな偉人の一人です。その二宮尊徳先生の考えで、掛川市が何かやろうとしているそうですね。

上田 はい。毎年、二宮金次郎先生が関わったゆかり自治体で、毎年1回集まってフォーラムを開いています。その時に聞いた話なのですが、掛川市長がそこで、「うちの町は、新幹線を走らせたい、ここに駅をつくると言ったら、みんなが10億寄附してくれる。」というんですよ。これは二宮金次郎さんの教えが、全部できている町で。私もちょっとびっくりしました。二宮尊徳精神が、もう根付いているというんですね。

 

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 上田さんは小田原で生まれ育って、二宮尊徳先生の教えは小学校の頃から教えてもらっていたんですね。

上田 はい、もちろんです。小田原市の学校では、小学校の時から教えますね。

 では、「分度と推譲」とか。

上田 推譲ですね。人のためにやる。ひいては、必ずかえってくるものだと。

 

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 「たらいのたとえ」もありますね。

 

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 あとは、「積小為大の精神」、これもまさに日本型資本主義の精神だということで、幸福実現党としても大川隆法総裁が何度となく言及されています。

 

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 そういうまちづくりの精神、自分たちの私財を投げ打っていく。上田さんが、まさにその実践者でいらっしゃいますが、ノーブレス・オブリージ(高貴なる義務)ですね。

 

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 成功した方々が、その成功の余得を――これは幸田露伴先生の分福の思想かもしれませんけれども、寄附あるいは福を植えるようなかたちで、次の代につなげていこうという志ですね。そういうものを、もう少し盛り上げてもいいと思います。

 アメリカでも、成功した方々が学校を建てたり、ロックフェラーはビル・ゲイツさんも随分寄附をされています。日本人は「嫉妬の原理」で、成功者から税金を取ろうという発想になってしまっています。お金の使い方を知っている方に、思い切り寄附ができるような税制に変えていってもいいと思うんですね。

 

「二宮尊徳精神が日本を変える」

 
 上田さんも、日本の国の誇りにかける思いというものを、各地で語られていらっしゃいますね。

上田 やはりマッカーサーが8月30日に厚木基地に降りた時に、日本中が焼け野原になっていたので、「この国の復興には50年かかる」と言ったんですね。それを、今の90代の方々が命がけで自分たちの町やこの国を再興してくれて、たった20年で新幹線を走らせたんですよね。そして高速道路を走らせて、その4年後にはGDP世界第2位にしたんです。今、その人たちはまだ生きている方はたくさんいるのに、誰にも看取られずに亡くなっているんです。今生きる我々は、そういう多くの人たちがあって、はじめている。

上田 またもう一つ言うならば、私は知覧に行った時、10代の若い青年の遺書を見たんです。そこにはこう書いてありました。「私は明日、飛んで行く。飛んで行くけれども、必ず未来の日本の若者が、世界に誇れる日本をつくってくれると信じて、私は飛んで行く」と書いてあったんですよ。

 

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「二宮尊徳精神が日本を変える」

 
上田 泣けるなんてものではなかったです。彼らは、未来の私たちのために亡くなったんですよ。それを今、みんな、そんなことなかったかのように、自分さえよければいいと、これは大企業の社長でさえそうなんです。だからこの国が、今おかしくなっているのだと思います。

 

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上田 もちろん、生きるためには経済活動も大切ですが、やはりもう一度、日本のあり方、利他の精神をもう一度戻さないと。ただ私は、今なら間に合うと思います。今、そういう苦労をしてきた人たちが、まだたくさん生きておられて、今ならまだ間に合うと思うので、私もやり続けようと思っています。

 

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上田 今、私がとても懸念しているのが、実は夕張に中国企業が入ってきていることです。中国企業がだめだとか嫌いだという話ではなくて、1年ほど前にコンペで、夕張に3軒あるホテルを一括して、中国企業に売却してしまったのです。私としては、バラバラでないとだめだし、競争の原理なので、1社がまとめて買ってしまうと値段も上がったり、サービスも偏るので、という話はしたのですが、やはりルールということで売却されてしまいました。それから1年たって、今はどうかというと、当時の支配人などは全員クビ。問題なのは、彼らはそこでしか働けないということなんです。夕張には、代わりの仕事なんかないんです。

上田 また、土地の買収も、ものすごいですね。買い方が尋常ではありません。二束三文なので、お店ごと、お店の赤字や借金まで含めて買うよ、と言うんです。そのかわり、ここで新しい店を建て直すので、従業員として働いてくれという話も聞いています。もう、根こそぎ買われている状況ですね。

 幸福実現党としても、北海道の土地の爆買い問題については各地から悲鳴が上がってきていましたので、1万5,000筆ほどの署名活動等をして、高橋はるみ知事に対応をお願いしました。

 

「二宮尊徳精神が日本を変える」

 

「二宮尊徳精神が日本を変える」

 
 水源地などは特に問題になっていますが、今は集落ごとに買われてしまうみたいですね。

上田 ひとつには、今、北海道の経済が非常によくないですね。地震の影響ももちろんありますが、いかんせん、札幌にすべて集中してしまっており、なかなか他のところにまではお金が回っていない状況が続いています。夕張は、2週間に1回行くたびにお店が1軒なくなっているような状況です。なので、どんどん買われてしまうのも、仕方ないような気もします。

 夕張は、冬場の産業はどうなっていますか。

上田 冬場にはスキー場があるんですが、お客さんはそれほどいないですし、ちょっと値段が高いらしいんですね。そのスキー場も今、中国企業がやっています。今、中国はスキーブームだそうで、中国人のお客様が来ています。その関係で、これから冬場は中国の方をお呼びするような方向ですが、産業としては冬場になると雪がどっと降って、誰とすれ違うこともないですね。

 私たちも中国の方を排除するつもりはありませんが、やはり日本に来たからには、日本で学ぶものを提供できたらいいですね。国民性だとか、自分たちが中国国内で入手してきた情報が、どうも違っているらしいということに、気づかれる方も多いと聞きます。中国の方と、直接の交流はありますか?

上田 はい。もちろん私もあいている時は、屋台村でエプロンをつけてお手伝いをしたり、そういうことは好きなので。中国のお客さんも前は団体客が多かったのですが、今は個人客が多いので、非常にいいですね。

 

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 中国の「一帯一路」構想というものがあります。日本では先般、安倍首相が訪中して、実質上の協力を申し出ました。日本の財界が一帯一路で儲けようということで動いているのを、後押しする形なのでしょう。私も国連の人権理事会のNGOの会合に出席しましたが、「一帯一路=植民地支配の仕組み」なんですよね。人権蹂躙の道というイメージが世界の常識になっている中で、日本の考え方は緩いと感じますね。

上田 今、ウイグルでは300万人が強制収容所に収容されているとニュースで見ましたが、この世の中で考えられないことが起きている。びっくりしました。日本のメディアも、もっと報道すべきですね。何に遠慮しているのか、わかりませんが。

 日本ファーストじゃなくて、これは中国ファーストです。どこに配慮して報道しないのか。さらに、政治のほうもまったく動かないですよね。私が聞いたウイグル人の話ですが、パスポートが切れる。パスポートの延長には中国本土からの書類が来なければ、更新ができません。本人が中国に帰国すれば、そのまま強制収容所入りだというのです。日本のような自由な国にいたら、そのまま強制収容所に入れられてしまいます。ご両親や親族から書類を送ってもらおうとしても、そのご両親とも連絡が取れない。お父さんはもう収容所に入っているという状況なのです。

上田 連絡を取ってはいけないと言いますね。

 そうなんですよ。杉原千畝さんの命のビザというのがありましたが、今、日本は政治で手を差し伸べることはしていないんですよ。これは情けないですね。

上田 ウイグルの方は2,000~3,000人ぐらい、日本にいらっしゃると言われていますね。そういう意味では、やさしくない国と言っていいのかわかりませんが、この人たちをなぜ守れないのか、ということですよね。

 ここは、考え方を変えなければいけないところだと思うんですね。これがある意味、中国に対する姿勢が、日本の国でも、今、上田さんがまちづくりをしながら感じておられる限界感と一緒だと思います。自分のことさえよければいいじゃないかという、こういう学問のあり方自体がおかしいんだと思うんですね。

 

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 戦後20年でオリンピックと新幹線ができました。あの新幹線が通った時に、次の芽をつくられたのが、今芽吹いて、今度はリニアになりましたね。ちょうど新幹線が通ったあとに、次はリニアだということで、残念ながら東京オリンピックには間に合いませんが、そのリニアが通ると、東京から大阪まで1時間になります。あんな技術は、世界でもないですね。

上田 あのリニアを、北海道に持ってきたら最高なんですけどね。

 ぜひ。特に、交通革命の威力というのは、とても大きいと思います。幸福実現党の政策の中でも、交通革命ということは随分言っています。北海道も札幌までは北海道新幹線が延伸しただけで、かなりの経済効果が出ますね。

上田 そうですね。リニアって、すごく夢がありますね。

 幸福実現党も、自由化した朝鮮半島や中国を通して、ユーラシアを通して世界を結ぼうという、壮大な夢を政策に掲げています。そのような夢が、今、政治の世界にはないですね。できれば北海道もサハリンに鉄道を通して、ここもつながりを作ったら、これはおもしろいことになると思います。

 

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上田 北方領土問題は、2島+αで話が進んでいますし、そういう意味では今、プーチン大統領と日本政府は、うまくいっているのでしょうか。

 もう22回も会われた安倍首相とプーチン大統領の人間関係というのは、そこまでできる人はいないでしょうから、この2人(がトップにいる)間で、この領土問題は主権に関わる問題だということで、ロシアのプーチン大統領も支持率の低下が言われるように、これは政治生命をかけた大きな仕掛けだと思います。今回は、プーチン大統領のほうから9月の東方経済フォーラムで口火を切られたわけです。それに対していま、安倍首相ががっちりと手を握り返そうとしている。これは大きいと思います。ロシアと日本の間が、プーチン大統領との信頼関係で手を握ることができたら、親日的なロシア人はとても多いんですね。ロシアが今、実は経済的な成功を考えていますので、北方領土のほうも今、中国や韓国の資本がどんどん入って、このままだと日本はどうなってしまうのかという時に、逆に日本の資本がどんどん入っていけるようになると、逆転していけるところもあると思います。中国の覇権に対して、ロシアは危機感を持っています。北朝鮮や中国を背後から抑えるためにも、外交上、とても有意義なことだと思います。

上田 いい展開になってきてますね。

 なりますね。あっという間に来ますね。

 

「二宮尊徳精神が日本を変える」

 
上田 私も日本政策学校の理事長をやっていますが、政治家に、その気があるのかということです。「公僕」という言葉はどこにいってしまったんだろうと思いますし、よく「9割を替えたほうがいいんじゃないか」という方もいます。何のために政治家になるのかと思うこともあります。決して、自分がやっていることが偉いと思っているわけではなくて、やはりもっと本気で未来の子どもたちのことを。本当にこのままでは、もう終わってしまいますので、これを何とかしよう、次にどうパスするんだ、渡すんだということを本気で考えていただきたいと思います。

 そういう意味では、自分の生き様を伝えられる方がいなくなりましたね。特に今、インターネットの時代になりましたが、この情報の分析や処理の仕方、大量の情報を整理するだけではないものが、これから得がたい知恵になってくると思います。そういうところを私たちも伝えていきたいと思います。

 

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 消費税について、右も左もなくいろいろな方々が「ちょっとヤバいぞ」という声が随分あがっています。全国各地の青年会議所の皆さん方からは、どのような声をいただいていますか。

上田 消費税を上げるというのが、私は一番厳しくなると思います。我々の友人と話していても、消費税が3%ぐらいの時は、「ああ、また消費税の納付時期だな。こんなもんか」と話していたのが、だんだんと「えっ?……えっ?」となって。そのたびに定期貯金を崩したり、現実的にここは結構痛いんですね。あれは一度入ってきちゃいますからね。途中で抜いてくれればいいんですが、それはどこの社長さん、特に30代、40代ぐらいの若い社長は一番堪えています。ここを本当はゼロにしてもらいたいですね。

 本当にそうですね。アメリカは消費税はないですからね。これは決定的に違います。

上田 アメリカは減税政策で、今うまくいっていますからね。

 景気もよくなって、所得がどんどん上がっています。大企業だけではなく、中小企業がいま恩恵を被っています。日本の逆ですね。

上田 建設会社も、もちろん仕事はあるのですが、人手がいない。なかなか利益が上がらず、売上も同じぐらいです。私は友人たちと話していて、昔と変わったなと思うことは、我々の業界というのは、例えば昔は公共事業も絞り込んだりいろいろなことがあって、本当に同業者同士、かなり仲が悪くなっていたんです。それが民主党試験になってから仕事がなくなって、10人を使っていた親方が3人に減らし、今、その3人から増えていないわけですね。戻って来いといっても、みんな親方になってしまったり、そんな状況です。例えば私は警備会社や清掃会社を経営していますが、同業者とものすごく仲良くなっているんですね。お互い、みんな人手がいないので。昔は同業者同士、いがみあっていて仕事の取り合いをしていたんですが、今は仲が良くて、「こんな仕事あるけど、上田君のところでできないかな」とか、逆に人手不足なのでみんなチームになって助け合っています。

 苦しい時は、やっぱり喧嘩している場合じゃなくなっているわけですね。そういう危機的な状況の中で、本当に大事なものが見えてくるところもありますね。全国で消費税をゼロにしてくれという声が上がっています。少なくとも5%に戻すだけでかなり景気は吹き返してきますね。消費税の増税は、もう諦めている方が多いんですが、こんなのは簡単ですよ。政治で「またやめます」と、安倍首相が言えばいいだけの話です。逆に、景気をよくすることを先行したほうが、金の卵を産むニワトリを育てるようなもので、あとあと税収は上がってきます。

上田 このままだと、格差を生むだけですね。

 

「二宮尊徳精神が日本を変える」

 
 私たちも消費税反対については、これからも署名活動などを通して声をあげていきますが、基本はやはり二宮尊徳精神で、自助努力からの繁栄が日本の未来を拓く道だと思います。夢のある国を、ぜひ一緒につくっていきたいと思います。本当に今日はありがとうございました。

上田 ありがとうございました。

 

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