【政務調査会】政策提言集2019 第Ⅰ部 未来ビジョン

明確で一貫性のあるビジョンの提示を

明確で一貫性のあるビジョンの提示を

 

国力倍増に向けた成長戦略の構築

・安倍政権下で戦後2番目に長い景気回復局面が続いているとされていますが、その速度は極めて緩やかで、生活実感が十分に伴っていないことも事実です。そして、日本の経済の本来の実力を示す潜在成長率については、長年、日本は1%未満で推移している状況です。中長期的な経済成長の実現に向けては、今、日本は確実でありながらもダイナミックな成長戦略を描く必要に迫られています。

・実質成長率3%超(名目成長率5%超)の持続的な経済成長の実現により、早期のGDP倍増、3倍増の達成を目指します。その実現に向け、消費税増税の中止と税率5%への引き下げ、法人実効税率10%台への大幅な引き下げといった大胆な減税政策、徹底的な規制緩和やリニア新幹線などの交通インフラ、新たな基幹産業となりうる分野へ大胆投資を行うなど、国として明確な成長戦略を構築します。

*各国の年間平均経済成長率(1990年-2016年)

(*IMFホームページをもとに作成)
*各国の年間平均経済成長率(1990年-2016年)

 

国防の抜本強化・戦略的な外交政策

・中国が過去十年来、南シナ海や東シナ海への活発な海洋進出を進めてきたように、中国の覇権主義が今、各地域における平和に脅威をもたらしている状況となっています。日本は、アジア、世界において、自由、民主、信仰といった価値観を守るとりでとなって中国の野望を打ち砕き、世界のリーダーとして平和を守る未来を構築すべきと考えます。

・国の独立や国民の生命・安全を守り抜くために日米同盟を強固なものとしつつ、誇りある主権国家として、「自分の国は自分で守る」体制構築を図っていきます。

・憲法9条の全面改正や防衛費の持続的拡大、中長期的な防衛装備のあり方の検討などに取り組み、抑止力の抜本的強化を図ります。

・安全保障協力や同盟関係の構築、経済・貿易の協力関係の構築、世界正義に基づいた国際ルール作り、戦略的なODAの実施、日本のソフトパワーの発信など、明確な国家戦略を描きます。

・地域の平和確保のための最重要課題として、覇権主義にひた走る中国の抑止、人権抑圧的な体制変更に向けて取り組んでいきます。朝鮮半島の非核化に向けては、日米が結束して引き続き対北圧力をかけ続けるとともに、国際社会の監視のもと、着実に非核化プロセスを進展させて北朝鮮の改革を進めていきます。

・対中包囲網の形成に向けて、日米同盟を基軸としながら、英国やロシアなどとの関係強化も図り、戦略的な外交を展開します。

日本と中国の防衛費の推移

(*ストックホルム国際平和研究所のデータベースをもとに作成)
日本と中国の防衛費の推移

 

財政再建・税制

・政府による様々な財政出動にも関わらず、度重なる増税も大きく影響し、デフレ脱却もままならない状況が続きました。歴代政権によるバラマキ政策も影響して、今、国の債務は1,100兆円を超えています。

・国家財政に経営的視点を持って眺めつつ、正しい経済政策と明確な経済成長戦略の実施による経済成長の達成、さらには歳出見直しや行政機関のスリム化に向けた組織・事務事業の抜本的な見直しを図ることで、中長期的な財政再建・健全財政の実現を目指します。

・基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の早期達成のために性急に増税を行うなどすれば、経済が停滞して中長期的に見るとかえって財政悪化を招く結果になりかねません。PBの早期の黒字化目標を見直すとともに、「累積債務残高/GDP」を指標として健全財政を実現します。

・公正かつ安くて簡素な税体系の構築を目指します。消費税・法人税減税を実施すると同時に、所得税に関しては、過度な累進制度の見直しと一律減税を図ります。将来的にはフラットタックスを導入することも検討します。

 

社会保障・教育

・高度経済成長期を背景とした1973年に、70歳以上の医療費無料化や、年金の物価スライド制が導入されています。「福祉元年」と言われるこの年を境に、社会保障給付額が大きく増大していきました。低成長と急激な少子高齢化に直面する現在のわが国において、自民党政権下で手厚くなった社会保障制度の財政基盤が大きく揺らいでいます。

・「安心な社会保障」の実現を目指します。「生涯現役社会」の実現に向け、平均寿命の延伸に合わせた年金受給年齢の引き上げや定年制の延長・撤廃を検討するとともに、「高齢者」の定義見直しを図ります。また、「自助と家族の支え合い」をベースにし、年金制度を積み立て方式へと移行させるなど、抜本的な制度改革を進めます。

・人口(とりわけ労働力人口)が国の経済成長の重要な規定要因の一つとなっていることを踏まえると、昨今のわが国の人口減少傾向が国力低下に直結することは言うまでもありません。日本は人口増に向けて確かな政策を打ち出すべきと考えます。世界を牽引し新たな日本モデルを形成するに相応しい「3億人国家」を目指しますが、当面は「人口1億5千万人」国家を目標とし、出生率の改善策や、将来的には毎年50万人規模の移民受け入れ策を視野に入れます。

・教育による人づくりは国家の礎です。日本の未来を開く人材の輩出に向けた教育を実現します。

・国家統制型の教育を改め、教育の自由化を推進して公教育の質向上を促進します。また、道徳・宗教・歴史教育を充実させることで子供たちの人間性、愛国心を育みます。企業家教育の充実により起業家精神やリスク管理について学べるようにし、日本経済を牽引する企業家を輩出する土壌を形成します。

 

エネルギー

・エネルギーは日本の安全保障と経済の基盤です。エネルギーの安定供給なくして国家の自由と繁栄を守ることができません。日本の中長期にわたる経済成長と電力需要に見合ったエネルギーのあり方を提示します。

・「安価で安定的な電力供給網」の整備を念頭に、原発の再稼働や新増設を進めるとともに、核融合、地熱発電など新エネルギー開発も合理性をもって進めていきます。また、エネルギー安全保障の観点から、エネルギー資源調達の多様化を図っていきます。

 

未来産業振興・インフラ整備

・中長期的な経済成長を決定する重要な要素の一つが、技術革新、イノベーションです。民間部門が新産業の種を次々に生み出すことができるよう、減税や規制緩和など経済活動の「自由の領域」の拡大に努めます。

・宇宙産業の発展は、産業全体の競争力向上に大きく貢献する可能性を秘めています。国力強化に寄与する一方で、研究開発を行う上で巨額の資金を必要とし、民間企業だけに委ねていると投資が充分に行われないような分野に関しては、国として戦略性をもって大胆投資を行います。

・リニア新幹線の全国整備を含めたインフラ整備を行います。また、自動運転などをはじめとした未来科学の到来を念頭にした都市計画を実施します。

・農林水産業の国際競争力向上を図ります。また、世界の人口が100億人に達する時代を想定して、食糧危機を回避すべく、陸上養殖技術の向上など新しいカロリー源の開発に向けた研究開発振興を行います。

*リニア新幹線・幸福実現党改定案

*リニア新幹線・幸福実現党改定案

 


 

参考 幸福実現党政務調査会 政策提言集2019 第Ⅰ部 未来ビジョン

幸福実現党政務調査会 政策提言集2019 第Ⅰ部 未来ビジョン

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