【政務調査会】大筋合意した日米貿易交渉

幸福実現党政務調査会ニューズレター No.20 2019.8.27

 

幸福実現党政務調査会ニューズレター No.20
2019.8.27

 

大筋合意した日米貿易交渉


 

今月25日、フランス南西部ビアリッツで開催されていた主要7か国首脳会議(G7サミット)に合わせて日米両首脳が会談し、懸案となっていた日米貿易交渉について大筋で合意しました。今回の日米貿易交渉について、以下、ポイントを整理します。

幸福実現党政務調査会ニューズレター-No.11-2017.12.05

 

今回の主な合意内容

合意内容の主なポイントは、下記の通りです。尚、今回は貿易交渉の「大筋な合意」という位置付けであり、協定の署名が実際に行われるのは9月末になる見通しとなっています。

 

合意内容の主なポイント

 

農産品
  • 米国産牛肉・豚国への関税はTPP水準とすることで決着。米国産牛肉の関税は、現在の38.5%から、2033年までに段階的に9%に引き下げられる。米国産豚肉(低価格品)の関税(従量税)については、482円(/kg)を段階的に50円(/kg)に引き下げられる。
  • バターなどの輸入枠設定は見送りへ。
工業品
  • 自動車(大型車以外)の2.5%の関税撤廃は先送り。日本産自動車への追加課税、数量規制についても、現時点では見送られる方向となっている。
  • 自動車部品などについては、幅広い品目で関税撤廃へ。

 

早期決着の背景

今回、交渉がスピード決着した背景には、来年秋の大統領選に向けて「成果」を急ぐトランプ米大統領の狙いがあったとされています。日本には合意を急ぐ理由が特になかったようにも見えますが、交渉が長引けば、通商拡大法232条に基づいて、米国によって日本産の自動車や自動車部品に25%の関税が課されるなど法外な対応がなされる恐れが高まるとして、日本側としても早期の幕引きを図ったとする見方もあります。

 

幸福実現党政調会としての基本的な考え方

貿易交渉の締結を機に米国産農産物などの関税が引き下げられることで、日本の消費者にとっては商品価格の低下が期待できるなど、一定のメリットを享受することができます。

国内農家にとっては、少なからずダメージを受ける面もあるでしょうが、国産品を望む消費者、海外の富裕層に対して、この機を日本産品の品質の良さをアピールして売り出すチャンスとして捉えるべきでしょう。

米中貿易戦争の渦中にあり、農産物等の輸出量が減少している米国にとって、今回の貿易交渉の合意は、メリットが大きいと見るべきでしょう。日本にとっては必ずしも良い面ばかりではありませんが、今回の合意は対中包囲網を構築するという安全保障の観点からはプラスと言えます。

今月23日、トランプ米大統領は対中制裁関税を新たに引き上げる方針を示していますが、米中貿易戦争による世界経済の後退も見据え、日本は内需拡大を図るべきことも念頭に置く必要があります。国内景気の停滞要因となる消費増税については、直ちに見直すべきです。

貿易交渉にあたって日本は、米軍駐留経費問題などを盾にして、米国によって圧倒的に不利な条件を押し付けられるという状況も、考えられなくはなかったでしょう。潜在的な貿易交渉力を強化するという意味でも、日本は国防面で対米依存を続ける状況を打破して、「自らの国は自らで守る」体制整備を進めるべきです。

尚、今回の交渉合意は「大筋での合意」との位置づけであって、今後、米国が自動車への追加関税の発動に傾くことはないとも言い切れない状況にあります。交渉が妥結するまで、日本は国益確保の観点から堂々と交渉を進めるべきです。

以上

 

幸福実現党政務調査会ニューズレター No.20

幸福実現党政務調査会ニューズレター No20

おすすめコンテンツ