新型コロナ感染拡大に対処する幸福実現党の経済政策提言

 
新型コロナウィルスが日本のみならず世界的に広がりを見せています。日本の実質GDPは5.9%(31.1兆円)ほど押し下げるという試算も出ているなか、現政権は、かつてない規模の緊急経済対策を打ち出そうとしています。総額30兆円を超える規模の企業の資金繰り支援を検討するなど、企業と雇用を守ろうとする政府の姿勢は評価できるものと言えます。

さらに全国民が一致団結してこの苦難を乗り越え、明るい未来を拓くために、幸福実現党は、以下提言いたします。

 

1.今すぐ消費税を5%に

今すぐに行うべきは、消費税を5%に下げることです。昨年10月に消費税が10%に増税されましたが、その結果、昨年10月から12月のGDPは年率換算でマイナス7.1%となりました。

経済対策としては現在、現金給付や期限付きの商品券の配布が検討されていますが、効果は一時的と言えます。30年もの間、構造的な不況の原因となってきた「消費税の減税」をまずは断行すべきです。

幸福実現党は2009年の立党以来、唯一の「減税政党」として消費税の減税を訴えてきました。減税による経済成長を起こし、国民を豊かにしたうえで税収アップを目指すべきだと考えているからです。ゆえに、所得税の累進課税撤廃や法人税減税も訴えています。

この点、消費税のみの減税を訴えている共産党やれいわ新選組と異なります。

ただし、消費税の税率を下げるには法律を変えなくてはならず、時間がかかります。緊急のため、当面、全品目に対して5%の軽減税率を適用しつつ、法律改正の手続きを進め、恒久的な5%への減税を目指します。

 

2.今こそ「ジャパン・ファースト!」~国内回帰で国産ブームを

コロナウィルスの感染拡大によって、中国にある工場が止まり、サプライチェーンの分断も引き起こしました。ゆえにこれを機会に中国依存型経済を終わらせ、「産業の国内回帰」と「国産ブーム」を一気に起こすべきだと考えます。

海外にある日本法人の従業員は431万人。そのうち4分の1が中国です。中国にある工場を全部戻せば、約100万人分の雇用が国内に生み出されます。それだけで需要がものすごく増えるはずです。地方に工場を作れば雇用が生まれ、地方の活性化にもつながります。

コロナ問題が落ち着いたら、中国によるインバウンドが復活するとの期待もありますが、今回の問題で中国も大きなダメージを受けており、これ以上中国に頼ることはできないと考えるべきです。

「国産ブーム」を起こすためには、日本に帰ってきやすい環境をつくることです。政府は現在、国内に工場を移すときに必要となる資金を、日本政策投資銀行を通じて貸し出す対策を検討しています。財源は1兆円超の財政投融資を想定していますが、それだけでは十分とは言えません。

設備投資の額に応じて税務上の優遇措置をとる、国内回帰の際に生じた損失については何らかのサポートをするなど思い切った策が必要です。

さらには、法人税の減税や規制緩和、リニア新幹線や高速道路網などの交通インフラへの投資などで、日本で仕事がしやすい環境を整えることが不可欠といえます。

特に「国産ブーム」を起こすべき分野は、食料とエネルギーの分野です。

日本の食料自給率は、カロリーベースで37%(平成30年度)と、アメリカの130%、フランスの127%、ドイツの95%といった他の先進諸国に比べて低い水準にあります。

コロナ不況で全世界的に生産活動が落ち込んでいるうえ、アフリカから中国にかけてサバクトビバッタが襲来し、農作物を食い荒らしています。今後、食糧を輸入に頼るのは、厳しくなってくることが予想されます。

農地取得の自由化を進め、国内において食料を増産できる体制を早急に整えるべきです。

また、日本はエネルギー自給率も9.6%(17年)と、先進諸国の中で最低です。原発を再稼働するとともに、石炭・石油・天然ガスなど、大部分を輸入に頼っている状況を早急に見直す必要があります。その他、新エネルギー産業への投資も有効と言えるでしょう。

 

3.経済再生への「ジャンプ台」
~未来産業への大胆な投資

そして最後に、未来産業への大胆な投資を進めるべきです。

政府は、延期となったオリンピックだけでなく、大阪万博などのイベント招致、そしてカジノなどで経済を活性化させようとしてきましたが、イベントやカジノで日本全体を上向かせることは難しいといえます。

やはり、国全体が長期的に活気づくような新しい産業を育てるべきです。宇宙産業、国防産業、自動運転車、空飛ぶ車など、宇宙、海中、地中のフロンティアは無限に広がっています。

財源は建設国債で賄いますが、これは未来の資産として残ります。

未来産業への投資は、コロナ不況で苦しむ経済のカンフル剤となるだけではなく、日本経済を力強く成長軌道に乗せる「ジャンプ台」ともなりうると考えます。

 


 

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