税金を重くするばかりでは
国民は豊かにならない
幸福実現党
党首 釈量子
2025年度の税制改正についての議論が本格化しています。いわゆる「103万円の壁」の見直しなど、国民の負担を減らす動きも出ていますが、一方では防衛増税が行われる見通しです。また社会保険料の加入範囲が拡大され、全体として国民の負担が増えます。このように政府は、減税するフリをして、保険料など別の形で“増税”を進めようとしています。本当に国民の負担を減らすには、税金の無駄遣いや行き過ぎた社会保障に歯止めをかけなければなりません。
“焼け石に水”の「年収103万円の壁」の見直し
一定の年収を超えると所得税の課税が始まります。いわゆる「年収の壁」と言われ、政府が昨年末に閣議決定した税制改正大綱では、この“壁”を現在の103万円から123万円に引き上げることが明記されました。これにより、課税対象となる所得が減るので、多くの人にとって所得税の負担が軽くなります。なお、国民民主党は178万円への引き上げを提言していますが、いずれにせよ減税効果は限定的です。
防衛を口実にした法人税増税
防衛力強化のために1兆円規模の増税が必要であるとして、政府は2026年4月から法人税とたばこ税の増税を実施する方針を出しています。法人税の増税は、企業の生産する製品やサービスの値上げ、賃金の目減りを起こし、最終的にはあらゆる国民の負担増加につながります。もちろん、北朝鮮のミサイル発射や台湾有事に備えるための防衛強化は喫緊の課題ですが、それを言い訳にして安易な増税を許すならば、かえって国力が弱り税収も減りかねません。
迫りくる中小企業とパートへの“大増税”
会社などに勤務する人が加入する厚生年金の加入条件について、厚生労働省は年収や企業規模の制限を撤廃する方針を出しています。2027年10月頃には、週20時間以上働く人は基本的に、保険料を払う必要が出てくるようになる見込みです。今まで加入していなかったパート労働者などは手取りが減ることになります。また厚生年金保険料は企業と従業員が半分ずつ負担する仕組みのため、企業規模の制限撤廃に影響される中小企業などにとっては“大増税”となります。
小手先の“減税”で手取りは増えない!
社会保険料は事実上の税金
政府は「年収の壁」の引き上げによって税金を減らす姿勢を見せていますが、実際には国民の負担は増えていく方向にあります。社会保険料も事実上の税金です。特に2025年は国民の5人に1人が75歳以上の後期高齢者となります。未曽有の高齢化が進むなか、「将来、貰える年金が増える」と称して厚生年金の加入拡大を進めても、数十年後も年金を受け取ることが出来る保証はありません。税金や社会保険料の滞納が原因の一つとなった企業倒産が急増しているという調査も出ているなど(図)、なりふり構わない負担増は民間活動にとって致命的です。
「小さな政府」を目指して国民負担を減らす
今の政治は、あらゆる面で国民の生活の面倒をみようとする「大きな政府」の方向に向かっています。しかし、そのために多くの税金を取り、規制を増やしていく流れは国民の自由を徐々に奪っていきます。「大きな政府」は必ず独裁化し、強権化していくのです。政府の肥大化を止めて税や社会保険料を減らし、「小さな政府」を目指すことが、一人ひとりの自由を守るためにきわめて大切です。そして経済活動のハードルを減らして個人や企業の力を最大限に発揮させることが、より豊かな社会につながっていきます。
増税の風穴が地方から?
─地方税の導入にも要注意
昨年6月から年間1,000円の「森林環境税」の徴収が始まりました。「森林環境税」は、高知県が地方税として2003年に導入したのが始まりです。その後37府県に広がり、今回、国税として定着したのです。地方の増税が全国規模に広がってしまった事例と言えます。現在、インバウンドの増加を理由に「宿泊税」を導入する自治体も増えていますが、こういった新たな地方税の導入には極めて慎重であるべきです。
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