2013年11月29日
特定秘密保護法案の是非が大きな議論を呼んでいます。政府・与党は12月6日の今国会会期末までに成立させる方針とのことですが、幸福実現党としても、同法案の早期成立を強く求めるものです。
先般、中国が、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海に防空識別圏を一方的に設定、これに対し、日米両政府が直ちに非難するなど、一触即発の状態にあります。すでに成立した国家安全保障会議(日本版NSC)設置法に基づき、来月には、国家安全保障会議が開催される見通しですが、北東アジア情勢について関係国との連携を深めるためにも、情報漏洩を抑止する特定秘密保護法案を成立させなければなりません。秘密保護法制は国際標準でもあり、「スパイ天国」と揶揄される状況を放置することの危険性は増すばかりです。
同法案については、「知る権利」が侵害されるとしてマスコミが反発していますが、国家の存亡がかかる昨今、国の安全保障か報道の自由か、保護法益を比較すれば、報道の自由に十分配慮しつつも、同法案の成立を急ぐべきことは火を見るよりも明らかです。
同法案をして、「戦争準備」とする非難もありますが、周辺の核保有国が明確に日本に対する侵略の意図を隠さない以上、同法案は積極的な平和創出に向けた「応戦準備」に意義づけられると考えます。安倍政権は、秘密保護法制の整備の先に、集団的自衛権の行使容認、さらには憲法9条改正を見据えているものと思われますが、国民に憶測を持たせるような“搦(から)め手”から入ろうとするのではなく、制度創設が、国民の生命・安全・財産や国益を守るためにいかに重要なのかについて、懸念払拭に努めるとともに、国民の理解を得るよう真摯に説明すべきです。支持率が高止まりするなか、安倍首相には、正攻法を期待するものです。
幸福実現党 党首 釈 量子