安倍首相の消費増税の再延期表明を受けて(党声明)

安倍首相が、来年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを、2019年10月まで再延期すると表明しました。しかしながら、選挙対策上の思惑から再増税を延期したところで、景気への大きな効果は見込めません。内需を冷やす消費増税を即刻中止するとともに、税率を5%に引き下げるべきというのが、わが党の考えです。

会見で、首相は今秋、経済対策を講じる考えも明らかにしました。総選挙もにらみ、景気テコ入れに“カンフル剤”で対処する考えでしょうが、政府がなすべきは、場当たり的な施策ではなく、民間主導の持続的な成長に向けた環境整備にほかなりません。

そもそも安倍政権は、「3本の矢」と称する金融緩和と財政出動、成長戦略の政策パッケージによって、デフレから脱却し、富の拡大を図ろうとしていました。アベノミクスの考え方は、わが党が2009年の立党以来、訴えてきた経済政策と方向性を同じくします。

このシナリオを破綻させたのが、一昨年春の8%への消費増税です。わが党は「消費増税は日本経済の沈没を招く」と主張してきましたが、消費税率の引き上げが、国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費の冷え込みをもたらし、景気失速を招いたことは明らかです。国民生活や経済活動の足かせとなる増税を取りやめ、減税など、個人や民間の自由を拡大する政策遂行により、日本経済の活性化を促すべきです。

安倍首相は先般の伊勢志摩サミットで、リーマン・ショックを引き合いに、「世界経済が危機に陥る大きなリスクに直面している」として、各国に財政出動を求めました。アベノミクスの失敗を外部要因に責任転嫁し、さらには増税延期のアリバイとするのは、あまりにも姑息だと言うほかありません。

「財政再建や社会保障財源の確保のためには増税が必要」との主張もみられますが、性急な財政再建は経済規模の縮小をもたらしかねません。景気下押しの主因となる増税ではなく、高い経済成長がもたらす自然増収による、増税に依存しない財政再建を目指すべきです。成長を通じた税収増を図ることで財政が健全化し、また抜本改革を前提として社会保障制度も維持できると考えます。

財政赤字を1000兆円以上に膨張させた大きな責任は、長年の間、集票目当ての利益誘導・バラマキ政治を行ってきた歴代の自民党政権にあります。失政のツケを国民に押し付けるのは言語道断であり、政府・自民党は経済財政運営の失敗を認めるべきです。

増税路線はもとより、経済界への賃上げ要請やマイナンバー制度の拡大など、安倍政権の政策運営は、国民生活への介入により、自由を抑圧するものと断ぜざるを得ません。この国の繁栄のために必要なのは、国家統制型の政治手法と決別し、国民の自由を拡げる政治の実現だと確信します。わが党は、消費減税をはじめとする大胆な減税や規制緩和など、「自由の大国」を目指した政策を掲げて、参院選に臨む所存です。

安倍首相の消費増税の再延期表明を受けて【党声明】

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