豊洲市場移転問題についての都知事の会見を受けて(党声明)

 

平成29年6月21日
幸福実現党

 

 築地市場の移転問題を巡り、小池都知事が会見で、中央卸売市場を豊洲に移転するとともに、5年後を目途に築地市場を再開発して市場機能を持たせ、将来的に豊洲市場を物流センターとして活用する方針を明らかにしました。一貫して豊洲市場への早期移転を求めてきたわが党として、都知事の無責任かつ不見識極まる対応は看過できません。

 このたびの都知事の表明は、豊洲移転の賛成派、反対派の顔色をうかがった玉虫色のものであり、選挙目当ての場当たり的な政策と断ぜざるを得ません。豊洲市場開場の時期が明示されていないばかりか、都知事の案は豊洲と築地への二重投資であり、さらなる税金投入につながりかねず、その「経営感覚」の欠如は明らかです。

 歴史のある築地市場に愛着を持つ方が多いのは確かですが、安全上は豊洲より築地の方が問題が大きいのが実情です。都知事は安全上の「基準」とするにはあまりに不適切な「水質環境基準」を指標とし、豊洲について「法的には安全だが安心とはいえない」という考えを示し、本件の混乱を招いてきました。しかしながら、実際には人々が汚染された地下水や土壌、空気にばく露される可能性は極めて低く、現状においても人々の健康に悪影響を及ぼすことはありません。

 都知事は、本来、早期に豊洲移転を決断すべきであったにもかかわらず、その不明、不作為により莫大なコストを生じさせ、「豊洲市場は危険である」との風評被害をもたらした責任を認め、都民や市場関係者に対して謝罪すべきです。科学的な見地から安全性が確保されている豊洲市場に今後、数百億円にも及ぶ追加対策を実施しても、税金の無駄遣いに終わることは明白です。都知事は意味のない開場条件(汚染の無害化)を速やかに撤回するべきです。

 豊洲市場は現在のままでも科学的な見地から十分に安全性が確保されており、環境規制への適合性など法的にも全く問題がないことから、わが党は東京都に、直ちに築地市場を豊洲市場へ移転することを強く求めます。

 また、わが党は、築地に市場機能を残置し、都が主導する「食のテーマパーク」などといった施設を整備することに反対します。築地市場の跡地は民間に売却し、民間の自由な創意工夫によって「築地」のブランドを活かした高度な再開発を行うべきです。

「築地は守る。豊洲は生かす」などという、スローガン先行で具体論に乏しい「決められない政治」による混乱に終止符を打つべく、わが党は先見性と実効性ある政策を掲げ、引き続き活動を進める決意です。

  
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