入院拒否への罰則は基本的人権に反する(党声明)
令和3年1月25日
幸福実現党
22日、政府は新型コロナウィルスへの対応策として、新型コロナ特別措置法や感染症法の改正案を閣議決定しました。来月上旬にも成立が見込まれています。
改正案は、コロナ患者が知事等による入院勧告を拒否した場合などに、懲役刑又は罰金刑を科すというものです。感染管理を強権的に徹底させて、東京五輪の開催を強行したいという政府の焦りを感じますが、感染者を強制的に「隔離」するかのような対応をとることは、感染者に対する差別を助長することはもちろん、基本的人権に反するものであり、幸福実現党は断固反対いたします。
コロナ感染による死者数が、例年の季節性インフルエンザによる死者数と比べ、現時点では少ないことを見ても、罰則の導入は日本の罪刑のあり方として、バランスを欠いたものと言わざるをえません。
政府は、国民の「いのち」を救うため、自由を縛り上げる前にやるべきことはあるはずです。経済活動における感染症対策は原則、民間の知恵に委ねるべきですが、政府として、感染症のリスク抑制に向けて、予防の徹底や免疫力アップに向けた対策の提示を行うとともに、コロナ患者に対応できる病院を増やすべきと考えます。
また、政府は、飲食店や商業施設に対して「休業」や「時短」を命令することを可能とし、従わない場合は、都道府県知事が過料「50万円以下」を科すことができるようにしようとしています。一方、こうした罰則とセットで、政府による要請に応じた店舗に対して経済支援を行うとしていますが、国及び地方の財政はすでに、相当な規模の債務を抱えており、もはや「危険領域」に達しています。
令和2年度では過去最大の国債を発行しておりこれを続けていくと、大増税にもつながりかねません。コロナ禍が長期化することも念頭に置いた、バランス感を持った政策運営を進めていくべきです。
以上のように、コロナの病気としての危険度はインフルエンザ並みとも言われているところ、もしインフルエンザ患者に懲役刑や罰金を科したら、深刻な抗議活動が起きるでしょう。
今、コロナ拡大が言われることとは反対に、インフルエンザや風邪、肺炎の患者の数、あるいはそれらによる死者の数は減っています。にもかかわらず、恐怖心をあおってコロナを巨大な災いのように見せて国民の管理強化を徹底し、管理社会の恐ろしさを描いたジョージ・オーエルの小説『1984』状態のようにしようとする傾向には許しがたいものがあります。 もうこれ以上国民の管理を強化し、財政赤字を巨大化させることはやめるべきと考えます。
二宮尊徳は生前、現代で言うところの地方自治体などの財政再建策を、実に600件以上施してきましたが、その根底には「自助論」がありました。自助努力の精神や勤勉の精神など、健全な経済倫理が発揮されることなくして、コロナ不況を最小限に留め、また、財政を健全化に向かわせることなどできないはずです。
幸福実現党は、コロナ対策という名目で、国民が知らないうちにこの国が「全体主義国家」に向かう懸念を示すとともに、政府はあくまでも「自由」を担保したコロナ対策を実施すべきと考えます。
以上