ワクチン接種ありきの行動制限に反対する(党声明)
令和3年9月11日
幸福実現党
菅義偉首相は9日、12日が期限となっている緊急事態宣言について、19都道府県で今月末まで延長することを決定しました。また、ワクチン接種の進捗状況に応じて、同宣言やまん延防止措置の対象となっている地域での行動制限を緩和するとの方針を示しています。
政府が示した基本方針では、自治体の第三者認証で「感染対策が行われている」と判断されれば、飲食店による酒類の提供や営業時間の延長を容認するほか、「ワクチン接種済証」または「陰性証明」を提示する「ワクチン・検査パッケージ」で会食の人数制限を緩和するとしています。また、接種済証、証明書の提示状況を踏まえて、イベントの参加人数の制限を緩和したり、都道府県をまたぐ旅行や出張を容認するとしています。
今回出された政府の方針の下、各業界がワクチンの接種済証などの活用を進めれば、事実上のワクチン接種の“強制”ともなりかねず、そうなれば、未接種者が経済活動に参加できないことも想定され、社会生活に大きな支障をきたしかねません。
ワクチンには一定の感染抑止効果があるとされますが、ワクチンを接種しても、その効果は時間とともに弱まるとの報告や、2回ワクチンを接種した人が感染する「ブレイクスルー感染」、さらには死亡報告を含めた重篤な副反応が出るとの事例も多く確認されています。また、ワクチンが、出現し続けている変異種に対して有効かどうかや、中長期的に人体にどのような影響を及ぼすかも定かでないのが実情です。
政府は、ワクチンを「切り札」と位置付けていますが、国外を見れば、ワクチン接種率が高くても、新規感染者が急増しているといった国もみられます。こうした中、日本が周回遅れで“ワクチンありき”の施策を実施すること自体、疑問を呈さざるをえません。
また、ワクチンの接種を希望しない人や、健康上の理由で接種しない人も「陰性証明」を提示すれば、経済活動への参加が認められるとしていますが、政府は、ワクチンを無料としているのとは異なり、PCR検査や抗原定性検査の検査費用に対しては、基本的には公費投入をしないとしています。そのため、ワクチンの接種を希望しない人は、証明書を発行するたびに相当な費用が押し付けられ、大きな不利益を被ることになります。
これらを踏まえても、政府による「ワクチン・検査パッケージ」を用いた施策には、大きな問題があると言わざるをえず、わが党として明確に反対いたします。
昨年来からの政府の一連のコロナ対策の実施により、日本経済はすでに疲弊しています。そもそも、緊急事態宣言やまん延防止措置を行うのは、重傷者用の病床数がひっ迫するといった“医療崩壊”が迫っているとの背景があると言われていますが、世界一の数と言われる日本の病床の多くが、コロナ患者に活用できていないというのが実情です。経済を止めることなく、“医療崩壊”を防ぐためには、未使用の病床が活用されなければなりません。そのため、コロナ患者を受け入れる医療機関への負担を軽減すべく、新型コロナの感染症法上の法的位置づけを、実質的にインフルエンザと同等の5類相当として、保健所を通さずして、医療が受けられる体制とするべきです。
感染症対策を名目とする、「条件付き」の行動制限緩和は、最初は小さく見えてもだんだん大きくなり、国民の自由を完全に奪うことになります。私たち幸福実現党は、人間にとって最も大切な価値観である「自由」を絶対に守るため、今後も活動を続けてまいる所存です。
以上