「改正⾷糧法」の成⽴を受けて(声明)

 

「改正⾷糧法」の成⽴を受けて(声明)

令和8年7月8日
幸福実現党 魅⼒的な農業と⾃給率向上を実現する連絡会議

7⽉8⽇、改正⾷糧法が成⽴しました。本改正は、⽇本農業の発展と国⺠⽣活の安定に資するものではなく、むしろ⽇本農業の成⻑を阻害し、⾷料安全保障上のリスクを⾼めるものです。幸福実現党は、こうした問題を踏まえ、要望書や声明を通じて⾒直しを求めてまいりました。しかしながら、問題が解消されないまま改正法が成⽴したことは極めて残念です。

本改正の問題は、⼤きく分けて次の5点が挙げられます。

第⼀の問題は、コメの⽣産拡⼤ではなく、⽣産抑制が事実上、強化されていることです。これまで⾷糧法は、「⽣産調整」の名の下で、政府が需要と供給の⾒通しを⽰しながら⽣産を誘導してきました。今回の改正では、「⽣産調整」という⽂⾔が削除される⼀⽅で、「需要に応じた⽣産」が法律に明記されました。しかし、そもそも政府が需要と供給の⾒通しを⽰し、それを前提とした⽣産を求める以上、「需要に応じた⽣産」とは「⽣産調整」の⾔い換えに過ぎません。加えて、現⾏法では⽣産者の「⾃主的な努⼒」を政府が⽀援する位置付けでした。しかし改正法では、⽣産者⾃⾝に「需要に応じた⽣産」を⾏う努⼒義務が課されています。その結果、コメの⽣産拡⼤ではなく、⽣産抑制を促す仕組みが、むしろ強化されたと⾔わざるを得ません。

第⼆の問題は、国家による統制をさらに強める⽅向に進んでいることです。今回の改正では、⺠間事業者による備蓄の強化が盛り込まれています。⼀定の備蓄は必要ですが、本来、安定供給の基本は⼗分な⽣産能⼒の確保にあります。しかし政府は、⽣産能⼒を⾼めるのではなく、需要予測に基づいて⽣産を誘導し、不⾜が⽣じれば備蓄で補うという発想を取っています。これは市場や⽣産者の判断を重視するのではなく、国が需給全体を管理しようとする計画経済的な発想と⾔わざるを得ません。

第三の問題は、⾷料安全保障の視点が決定的に不⾜していることです。⽇本の⾷料⾃給率は⻑期的に低下を続け、2022 年度時点で38%にまで落ち込んでいます。加えて、国際情勢の不安定化、気候変動による不作リスクや輸⼊依存の脆弱性など、⾷料安全保障を巡る環境も近年⼤きく変化しています。こうした時代に必要なのは、平時の需要に合わせて⽣産量を抑えることではなく、有事にも国⺠の⾷⽣活を⽀えられる⼗分な⽣産能⼒を維持することです。その観点から⾒れば、「需要に応じた⽣産」を基本とする今回の改正は、⾷料安全保障の強化ではなく、むしろその弱体化につながる懸念があります。

第四の問題は、政府⾃⾝が進める⼤規模化政策との⽭盾です。農林⽔産省はこれまで、農地の集積・集約化、担い⼿育成・法⼈化や輸出拡⼤を推進してきました。しかし⼀⽅で、⽣産量を需要に合わせて抑制する政策を続けています。規模拡⼤を求めながら、⽣産拡⼤にはブレーキをかける。輸出拡⼤を掲げながら、国内の供給能⼒は抑える。今回の改正は、こうした農政の根本的な⽭盾を固定化するものです。

第五の問題は、消費者にも農家にも持続可能な仕組みではないことです。単に需要に合わせ供給余⼒が失われれば、わずかな需給変動でも価格は⼤きく上昇します。近年の⽶価⾼騰は、その危険性を⽰しています。⾼価格は短期的には農家所得を⽀えるように⾒えても、⻑期的には消費者のコメ離れを招き、市場そのものを縮⼩させます。農業の未来は、供給を絞って価格を維持することではなく、⽣産性向上によって所得を伸ばすことにあります。

幸福実現党は⼀貫して、⽣産を抑制する「減反政策」からの脱却とコメの増産を求めてまいりました。それは単にコメ価格を引き下げるためではありません。⽇本の⾷料安全保障を強化し、⽇本の農業を成⻑産業へと転換するためです。

平時に輸出にも対応できる⽣産能⼒を確保することで、有事にも国⺠を守る供給⼒を維持することができます。

そのためには、⽣産量そのものを⾏政が誘導する発想から脱却し、農家が市場の需要や将来の成⻑可能性を⾒据えて⾃由に経営判断できる環境を整えなければなりません。

⼀⽅、現状の⽣産拡⼤にブレーキをかける政策の下では、農家は将来の成⻑を描くことができず、⼤胆な設備投資や規模拡⼤に踏み切ることができません。ですから、政府の役割は⽣産を統制することではなく、所得補償や基盤整備によって農家の挑戦を⽀えることです。主⾷⽤⽶を⽣産する主業農家については、欧州諸国等で広く導⼊されている直接⽀払い制度を参考に、意欲ある担い⼿への重点⽀援を進めるべきです。

こうして農地の集積・⼤規模化・⽣産性向上を進めることで、⽇本農業の競争⼒を⾼めることができます。保護と統制を前提とした農政から、⾃由と成⻑を重視する農政へ。⽇本農業を⼒強い成⻑産業へ転換することこそ、今求められている改⾰であると私たちは確信しています。

私たちは今後も、本改正法の抜本的な⾒直しを求めるとともに、⽇本農業の成⻑と⾷料安全保障の強化につながる農政改⾰の実現に向けて取り組んでまいります。

以上

 

添付資料

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