フジサンケイビジネスアイ【太陽の昇る国へ】
国の針路を過ってはならない 幸福実現党党首・釈量子

 --未曽有の災害となった東日本大震災の発生から4年。復興は道半ばで、今なお約23万人もの方々が避難生活を強いられているのが実情です

 今月、福島県のいわき市、南相馬市を視察してきました。常磐自動車道が全線開通するなど復旧は一部で進んだとはいえ、原発事故からの本格的な復興はこれからです。福島県では、いまだ約12万人の方々が避難生活を余儀なくされていますが、帰還が進まない要因としては、雇用確保や生活インフラの整備といった課題のほかに、放射線への過度の恐怖心を挙げることができるでしょう。これを助長したのが、2011年秋に当時の民主党政権が打ち出した「追加被曝(ひばく)線量年間1ミリシーベルト以下」という長期的な除染目標です。

 そもそも年間100ミリシーベルト以下の被曝による健康への影響は疫学的には認められていません。しかし、「1ミリシーベルト以下」という数値が「安全か否か」を峻別する基準として一人歩きし、帰還を逡巡させる足かせとなっているのです。

 放射線に対する過度の不安の払拭なくして、福島の復興はありません。政府には正しい知識の周知を強く求めるとともに、私たち幸福実現党としても、啓蒙(けいもう)に努めたいと思います。

 --復興・復旧に向けた15年度までの集中復興期間の総事業費は約26兆円。岩手と宮城、福島の被災3県にはさらに8兆円が必要との試算もあります。しかし、復興予算の使途についてはさまざまな批判がみられます

 復興に向け、政府として16年度からの5年間の新たな枠組みを夏までに策定するようですが、被災自治体の負担も含め、財源をどう手当てするのかという問題が発生しています。もちろん、インフラ整備など復興に必要な事業は積極的に行っていくべきです。

 しかし会計検査院の調査によれば、11~13年度までの間に計上された25兆円の復興予算のうち、5兆円が国庫に残されるなど、9兆円もの予算が使われておらず、執行率の低さが判明しています。

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☆釈量子党首のコラム「太陽の昇る国へ」は、毎月第2・4金曜日に掲載されます☆

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