自由を圧迫するマイナンバー制(9月25日付夕刊フジ【いざ!幸福維新】にて掲載)

 安保関連法が成立しました。かねて集団的自衛権の行使容認を訴えてきた幸福実現党として、同法成立を歓迎します。

 安保法には反対の声もあがりましたが、中国による軍事的台頭などの現実を前に、抑止力強化は待ったなしです。日米同盟の強化はもとより、「自分の国は自分で守る」体制整備を急ぐべきであるというのが、わが党の防衛政策の基本方針です。

 わが国では、国防の手足を縛る憲法9条のもと、憲法解釈を積み重ねることで安保環境の変化に対応してきました。この間、9条を巡る不毛な神学論争が繰り広げられてきましたが、誇りある主権国家として、9条を改正し、国家防衛の意思を堂々と示すべきだと考えます。

 さて、安保関連法が焦点となった今国会では、それ以外にも重要法案が成立しています。そのひとつが改正マイナンバー法です。国民に12桁からなる個人番号を割り当て、社会保障や税、災害対策の3分野で情報を管理するマイナンバー制度については、2016年からの運用開始を待たず、法改正により対象が拡大され、18年から個人の預金口座にも任意で適用されることになりました。

 政府はマイナンバーのさらなる範囲拡大をもくろんでいますが、これは国民の利便性を向上させるように見えて、その実、ディストピア(絶望郷)への道にほかならないと考えます。

 財務省はマイナンバー普及に乗じて消費再増税を進めるべく、還付金案を明らかにしましたが、ほかにも個人の金融資産の捕捉による資産課税の強化をたくらんでいることも見て取れます。国民からの財産の収奪に拍車をかけるような制度の導入、強化は断じて看過できません。

 また、マイナンバーは、情報漏洩の危険性があるほか、国家による監視社会構築につながりかねません。所得や資産から個人の趣味嗜好に至るまで、国家が把握するような社会の到来など御免こうむりたいものです。

 幸福実現党は「自由からの繁栄」を目指します。「大きな政府」による自由の抑圧をもたらすマイナンバー制度には反対であり、中止を含めた制度の見直しを求めます。

(幸福実現党党首・釈量子)

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