6月2日、幸福実現党政務調査会エネルギー部会(壹岐愛子部会長)は内閣総理大臣宛てに「政府の責任の下で直ちに原子力発電所を再稼働することを求める意見書」を提出致しました。
昨今、石油、石炭、液化天然ガス(LNG)などの燃料の調達環境が世界的に厳しくなり、ウクライナ危機以降はエネルギー危機に拍車がかかっています。特に電力については、経済産業省が令和4年度の夏季・冬季について非常に厳しい需給の見通しを公表しています。真冬に電力が使えなければ、多くの生命が失われる事態にもなりかねません。
こうした状況に鑑み、幸福実現党政務調査会エネルギー部会は内閣総理大臣に対し、規制委の審査を迅速化させるとともに、審査中の原発の稼働を認めること、併せて、政府の責任の下で原発を再稼働させることを求めています。
「意見書」を提出する壹岐愛子エネルギー部会長
令和4年6月2日
内閣総理大臣
岸田文雄 殿
幸福実現党
政務調査会エネルギー部会
政府の責任の下で直ちに原子力発電所を再稼働することを求める意見書
昨今、石油、石炭、液化天然ガス(LNG)などの燃料の調達環境が世界的に厳しくなり、ウクライナ危機以降はエネルギー危機に拍車がかかっています。
特に電力については、経済産業省が令和4年度の夏季・冬季について非常に厳しい需給の見通しを公表しており、冬季(令和5年1、2月)には全国7エリアで安定供給に最低限必要な供給予備率3%を確保できず、特に東京エリアでは1月でマイナス0.6%、2月でマイナス0.5%と、極めて厳しい見通しとなっています。真冬に電力が使えなければ、多くの生命が失われる事態にもなりかねません。
一方で、本来は十分な供給力を持つ全国の原子力発電所の再稼働が、遅々として進んでいません。これは、原子力規制委員会による新規制基準に係る適合性の審査が非常に厳しく、かつそれを既存の原発にバックフィット(遡及適用)する際に稼働を停止するという、民主党政権以来の日本独自の不合理な運用を行っていることに原因があります。日本以外の諸外国では規制基準を見直す場合であっても、原発を運転したままその変更を行うとの対応が取られてきました。
規制委は原発のリスクを「ゼロ」に限りなく近づけることだけを目指していますが、日本にはエネルギー市場環境・安全保障環境の変化による燃料途絶や、それによって国民の生命と財産が脅かされるリスクがあり、むしろ後者が顕在化しているという現実がある中で、速やかに対応しなければなりません。
これらの状況に鑑み、貴職においては規制委の審査を迅速化させるとともに、審査中の原発の稼働を認め、併せて、政府の責任の下で電気事業者に直ちに原発を再稼働させるよう、下記の内容を求めます。
記
一、原子力規制委員会による新規制基準適合性に係る審査を、徹底的に迅速化・適正化すること。
一、前項の審査において、審査中の原子力発電所の稼働に問題がないことを表明すること。
一、審査中の原子力発電所について、電気事業法第31 条第1 項に基づいて、経済産業大臣に電気事業者に対し、再稼働の命令(供給命令)を発出させること。
一、前項の執行にあたり貴職が前面に立ち、地方公共団体及び電気事業者に責任を転嫁することなく、国家としての大局を踏まえた決断を政府の責任で行うこと。
以上