新たな公開質問状を「カルト宗教から国民を守る党」代表 大川宏洋氏に渡しました。

 
2月10日朝、渋谷区・初台駅にて、幸福実現党広報本部長補佐畠山元太朗より「カルト宗教から国民を守る党」代表 大川宏洋氏に、新たな公開質問状を渡しました。

 

2023年2月10日

「カルト宗教から国民を守る党」代表
大川 宏洋 殿

東京都港区赤坂2丁目10-8
幸福実現党広報本部
電話 03-6441-0754
広報本部長 中家 康之

 

質問状

幸福実現党が2月6日付でお渡しした質問状に対し、貴殿はその回答と称するYouTube動画(以下「回答」といいます)を同日配信しました。この回答において、「信教の自由」に関する誤った見解が示されていると思われるため、以下、貴殿に対し、改めて質問するとともに、公開討論を申し入れます。

 

①「信教の自由」の中身を理解しているのか。

貴殿は回答の中で「『信教の自由』には「特定の宗教を信じない自由」も含まれています」としたうえで、「18歳未満の未成年は原則入信禁止にする」と主張しています。

近代の自由主義は、中世の宗教弾圧に対する抵抗から生まれ、その後の殉教の歴史を経て成立しました。そのため、「信教の自由」はあらゆる精神的自由権を確立するための推進力となったもので、歴史上きわめて重要な意味を持ちます。

日本国憲法20条に定める「信教の自由」には、「信仰の自由」「宗教的行為の自由」「宗教的結社の自由」が含まれています。「信仰の自由」とは内心における自由であり、侵すことが許されないものであり、この中には「両親が子どもに自己の好む宗教を教育し自己の好む宗教学校に進学させる自由」も含まれています(芦部信喜著『憲法』より)。すなわち、貴殿の主張は、信仰心をもち、特定の宗教への入信を希望する未成年者自身の「信仰の自由」「宗教的行為の自由」を侵害するものであるとともに、未成年者の親の「信仰の自由」を侵害するものです。

貴殿の主張は、「信教の自由」に対して国家権力の介入を求めるものだと思いますが、これは未成年者およびその親の「信教の自由」の侵害となることについてどのようにお考えでしょうか。

また、ユダヤ教やイスラム教では生まれながらにしてユダヤ教徒、イスラム教徒です。キリスト教にも幼児洗礼という制度がありますが、これらの宗教も同じく憲法違反だとお考えでしょうか。

 

②「政教分離」を正しく理解しているのか。

貴殿は回答の中で「幸福実現党という政治団体自体が憲法20条における政教分離原則違反を犯しており」と主張していますが、「政教分離原則」の解釈を誤っています。

戦前の大日本帝国憲法では条件付きの「信教の自由」しか認められておらず、国家神道に対し事実上国教的な地位が与えられていたため、一部の宗教団体に厳しい迫害が加えられました。

こうした歴史的教訓を踏まえ、日本国憲法20条および89条の「政教分離原則」は「信教の自由」を担保するため、国家権力が宗教に介入することを排除し、国家の宗教的中立性を求めたと解釈するのが通説です。

そもそも憲法は国家権力を縛るものであり(99条)、「政教分離原則」は国民である宗教者が政党を結成すること、政治家になることなどを禁止するものではありません。

もし宗教者の政治参加の自由を奪えば、「信教の自由」をはじめ「信条によって政治的差別を受けないとする、法の下の平等(14条)」「集会・結社の自由(21条)」「職業選択の自由(22条)」を侵害する、まさに憲法違反です。

「政教分離原則」が宗教者の政治参加を一切否定していないことは、過去の政府答弁が一貫してこの立場を堅持していることからも明らかです。

以上の論点を踏まえ、「政教分離原則」についてどのようにお考えでしょうか。

 

③「宗教法人の宗教上の特性」に留意すべきではないのか

貴殿は回答の中で「『霊言』という大川隆法のインチキイタココントを「真実である」と嘘をついて」と主張していますが、一個人の立場ではなく、議員を目指している者として、政治的見解として霊言の真偽を判定しているのであれば、大きな問題です。

憲法20条の言う「宗教」とは、「超自然的、超人間的本質(すなわち絶対者、造物主、至高の存在、なかんずく神、仏、霊等)の存在を確信し、畏敬崇拝する心情と行為」(津地鎮祭事件控訴審判決)を意味しており、唯物論的、科学的観点から「宗教」を理解すること自体に無理があります。

「宗教法人法」においても、国家が宗教法人に対する判断等を行うにあたっては「宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意しなければならない」(同法84条)と明記しています。

イスラム教やキリスト教など霊言を抜きにしては成り立たない世界宗教があることは厳然たる事実であり、政治家を目指す者として「宗教法人の宗教上の特性及び慣習」への配慮が必要ではないでしょうか。

以上の論点を踏まえ、「宗教法人の宗教上の特性及び慣習」への配慮について、どのようにお考えでしょうか。

 

上記質問について、公開の場での議論を申し入れます。2月16日(木)までにご返答ください。

 

おすすめコンテンツ