平成28年12月17日
幸福実現党
ロシアのプーチン大統領の訪日を受けた首脳会談で、北方四島における共同経済活動の協議開始などで合意が得られたものの、日露間の隔たりが大きい領土交渉を巡っては、進展がみられませんでした。本年5月などの首脳会談では、領土問題を含む平和条約交渉について、安倍首相は“手応え”を強調するなど、領土返還への期待感を煽ってきましたが、政権による対露外交は完全に失敗したと断ぜざるを得ません。
会談が不調に終わった背景に、ロシアにとって北方領土を含むオホーツク海が軍事的要衝であることはもちろん、ウクライナ問題を巡る日本政府の外交判断の誤りがあることは明らかです。日本政府は欧米による対ロシア制裁に同調しましたが、欧米とロシアの対立が深まるなか、わが党が主張したように両者の懸け橋となる外交を展開すべきであったと考えます。
もとより北方四島はわが国固有の領土であり、あらゆる機会を通じて、引き続き領土交渉の進展を図るべきです。その一方、地域の安全保障上、最大の不安定要因である中国を牽制するうえで、ロシアとの関係強化は重要であることから、領土問題をいったん棚上げしてでも、経済や安保両面での関係強化、平和条約締結を目指すべきだというのが、わが党の考えです。経済協力を巡っては、投融資3000億円規模などで合意しましたが、この程度にとどまらず、北海道とサハリンを鉄道で結ぶことや、ロシアとの貿易総額の大幅な拡大、極東地域の開発推進など、日露双方の発展に資する中長期の視点に立った協力構想を立案・実施し、相互理解を深めつつ、日本とロシアを強い紐帯で結ぶべきです。
トランプ米次期大統領の誕生により、新たな世界秩序が構築されようとするなか、「地球儀を俯瞰する外交」とは名ばかりの、理念なき場当たり的な対応に終始し続ければ、時代の潮流変化を見誤り、日本を危地にさらすことにもなりかねません。戦略的な外交のかじ取りこそが肝要であり、対中抑止を図り、地域の安定を確保すべく、日米同盟を基軸としながら、ロシアをはじめ関係国との連携を強化すべきです。
幸福実現党は、“日本ファースト”を堂々と掲げ、この国を強く豊かにするとともに、わが国を国際社会の平和と正義、繁栄の実現に貢献できる国家へと新生させるべく、力を尽くしてまいる決意です。