人権侵害を続ける中国を変えるには
自由・民主・信仰を守る輪を
幸福実現党の釈量子党首と及川幸久外務局長が、スイス・ジュネーブで行われた国連の人権理事会の事前セッションに参加しました。
人権理事会は2006年に設立され、年3回開かれる普遍的・定期的レビュー(UPR)と呼ばれるプロセスで全国連加盟国の人権に対する取り組みを評価します。11月のUPRでは中国が審査対象となっています。
この審査に先立ち、10月9日にスイス・ジュネーブ事前セッションが行われました。ここで、釈党首と及川外務局長は香港やチベット、ウイグルなど、中国の弾圧に苦しむ人権活動家と交流し、国連での活動の実情について調査しました。UPRには、幸福実現党の関連団体であるNGO「幸福実現研究所(HRRI)」が、中国の状況について「信教・表現・政治活動の自由がますます蝕まれている」とするレポートを提出しています。
無視を決め込む中国
事前セッションには各国政府代表も招かれますが、今回、中国政府の代表は出席していませんでした。
セッションの最後にニュージーランドの政府関係者が「中国は前回の勧告も受け入れていない」として、NGOに今回の勧告についての姿勢を問う場面もありました。
NGOからは「発言することに重要な意味がある」「中国が勧告を受け入れ、実行するよう求め続けるしかない」などの発言がありました。
釈党首は「切実な人権状況に対してNGOは声を上げていますが、強制収容所を法律で定めるなど、国家として人権弾圧を正当化する中国も人権理事会の理事国に名を連ねています。世界人権宣言にある『天賦の人権』を理解していない国が影響力を強めることに危機感を覚えます」と話します。
ドルクン・エイサ氏(写真左)。
フランス・パリで9月28日に行われた「東トルキスタン会議」の設立大会。
スピーチを行った及川外務局長。
信仰をかけた命がけの戦い
翌10日に釈党首は、世界ウイグル会議総裁のドルクン・エイサ氏と対談を行いました。ドルクン氏は2017年、国連の委員会への参加が許可され、パスも発行されていたにもかかわらず、「当日の入場を拒否され、追い出された」ことがあるなど、中国の妨害とみられる経験をしています。
また及川外務局長は、「両親が再教育キャンプに収容されている」と、迫害の実態を告発したムラット・ウイグル氏にその体験を聞きました。告発によって収容所にいる両親を危機にさらす危険もあるなか、ムラット氏は「祈りました。そして、『立ち上がりなさい』という声を聴いたのです」とその経験を語ります。ムラット氏の告発がきっかけで再教育キャンプの実態が世界に知られるようになりました。
ムラット氏は9月28日にフランス・パリで行われた、ウイグル民族として中国からの独立を目指す「東トルキスタン会議」の設立大会に参加しました。及川局長はこの時、来賓としてスピーチを行っています。
「中国で独立を掲げると、国家転覆の罪に問われる中、ウイグルの方々の運動は、信仰をかけた命がけの戦いです」(及川氏)
日本がなすべきこと
釈党首はジュネーブでの活動を振り返って、「今回の事前セッションでは、『新宗教の信者の人権擁護』についての議論は出ていませんでした。また、6月に人権理事会からアメリカが抜けた一方で、中国の影響力が強まっています。自由主義国がマイノリティになるかのように感じました。日本の立場で発信すべきことはまだあります」と語ります。
「邪悪な弾圧を続ける中国を変えるために、香港やチベット、学問の自由を守る団体など中国の人権状況に必死の声を上げていますが、中国は聴く耳を持っていません。日本としてももっと力をつけて、国際的なネットワークを作り、言論と思想によって中国を変え、全世界に希望を伝えていくのが私たちの使命であると考えています」(釈党首)。