雇用の喪失と大恐慌への引き金
「脱炭素」で電気代大幅アップ
幸福実現党
党首 釈量子
菅政権は2050年までの「脱炭素社会」の実現を掲げています。しかし、CO2削減のための政策は人々の生活を脅かし、コロナによる経済打撃とあいまったダブル不況を招く恐れがあります。
また、日本や欧米など先進国と比べて排出規制の緩い中国に世界の製造拠点が集中し、中国経済が“独り勝ち”する状態となれば危険です。日本は誤った環境政策を見直し、自国とアジアの平和と繁栄を守らなければなりません。
① 再エネ推進と石炭発電廃止で電気料金10倍!?
政府は「脱炭素」を掲げ、再生可能エネルギーを推進し、石炭火力発電や原子力発電の削減を進めています。
しかし、不安定かつ高コストな再エネは電気料金の高騰を招きます。昨年12月下旬以降、記録的寒波で電力需要が急増し、悪天候で太陽光発電が使えない状況に加え、LNG不足も重なり、電気料金が急騰しました(グラフ参照)。
※ LNG…液化天然ガス
電力市場スポット価格(1日平均)の推移
「電気料金」だけではない、再エネの問題点
例えば電気料金が3倍に上がる
モノやサービスの値段が15%以上アップ
「短期マクロ経済=産業連関システムの構築―燃料価格上昇が日本経済・産業に与える影響の感度分析―(電力中央研究所)」を参考に試算
② 脱ガソリン車で大量の雇用が失われる
電気自動車(EV)はガソリン車より部品が少ないため、ドイツでは「EV化で関連雇用の約半数が失われる」とする研究(※)があります。日本の自動車製造部門の雇用は約91万人です。もしガソリン車の新車販売が禁止となれば、約45万人の雇用が危機に瀕します。その家族(一世帯当たり平均2.3人)も考慮すれば、100万人以上の生活に影響が出ます。
※ドイツ連邦政府主導の専門者会議「未来のモビリティの国家プラットフォーム(NPM)」
約91万人の雇用が半減!?
石炭火力や自動車産業は日本の生命線
日本の脱炭素は危険
中国の石炭火力は約3倍!
中国は「2060年までのカーボン・ニュートラル(※)の実現」を宣言する一方、2019年以降にCO2排出量が最も多い石炭火力の新設計画を急増(グラフ参照)させています。また2020年、石炭火力による発電量は中国のみで29.8GW増加。中国以外の国々の削減量の合計17.2GWを大幅に上回りました。
最大の排出国である中国が、CO2削減に真面目に取り組んでいない実態が表れています。
こうした状況下でのCO2削減は意味がないばかりか、覇権拡大を続ける中国にエネルギー資源を独占させることになり危険です。
※ CO 2をはじめとする温室効果ガスの排出量と吸収量を差引ゼロにすること。
電力を確保し生活を守るために
再エネの増加は国民の負担に
国際政治の影響を受けやすく、輸送時のリスクが高いLNGへの過度な依存は、電力の供給を滞らせるリスクがあります。石炭火力削減の見直しや原子力発電所の再稼働を進め、安価で安定した電力を供給できる体制を整えることが急務です。特に石炭は貯蔵しやすい上、様々な地域からの輸入が可能で、海外情勢の変化に対応しやすいメリットがあります。
政府が導入を検討する炭素税も経済活動のブレーキになるため見直すべきです。
また、ガソリン車の新車販売禁止を見直すと共に、ハイブリッド車の輸出に向けた外交面での働きかけを通じて、日本の基幹産業を守らねばなりません。
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